
住信SBIネット銀行と資本業務提携
進化するドコモ金融サービスに高まる期待
2025年5月29日(木)、ドコモは住信SBIネット銀行と資本業務提携を発表し、本格的に銀行業へと乗り出しました。これまでもコード決済やクレジットカードなど、暮らしに身近な金融サービスを展開してきたドコモですが、銀行業参入によって私たちの生活にはどんな新しいメリットが生まれるのでしょうか。本プロジェクトにかかわった担当者の声も交えながら、その背景やこれからの展望を紹介していきます。

なぜパートナーは住信SBIネット銀行?
ドコモはこれまで決済をはじめ、投資、保険、融資など幅広い金融サービスを提供してきました。こうした金融事業はドコモにとって通信事業に代わる新たな事業(スマートライフ事業)のなかでも特に重要なビジネス領域となっており、特にコード決済サービスである「d払い」やクレジットカードサービスである「dカード」などは非常に多くのお客さまにご利用いただいています。
また2023年度にはマネックス証券との資本業務提携を発表しグループに迎えるなど、金融領域でのさらなる成長促進をめざしています。しかし、決済や投資、保険、融資などの金融サービスを一体的に提供するためには本格的な銀行機能が不可欠でした。
そして満を持して銀行業へ本格参入。他の携帯キャリア各社がすでに銀行機能を備えているなかで、ドコモの銀行業参入には社内から大きな期待が寄せられていました。
その期待に応えるため、ドコモ社内の担当者も高いモチベーションで取組んだといいます。

後藤:担当になったときは最後までやり切れるのかという不安や緊張を感じました。ただそれ以上に、会社にとってはじめての挑戦かつ注目されている案件だったので、そのような業務に携われることを誇りに感じましたし、自分たちが成功させるんだという強い想いを持って取組んでいました。また、秘匿性の高い案件であり、少人数で広範な対応を行う必要があったため、各メンバーが案件やチームの状況を見ながら柔軟に対応しました。案件全体の管理を行いつつ、ステークホルダーとの契約関連の協議や監督官庁との調整を行うなど、一人ひとりが幅広い役割を担っていました。

ドコモの銀行業参入にあたり、住信SBIネット銀行をパートナーとしたことには理由があります。
溝入:ドコモが提供する金融サービスとの連携に必要な機能を持っているということに加えて、経営基盤の安定性や収益性、高度なAI・デジタル技術などの先進性を備えていたことです。また預金の主な運用先である住宅ローン事業に力を入れているという点でも、特に魅力的な選択肢の一つとなりました。
デジタル完結型のネット銀行であれば、スマートフォンユーザーを中心とするドコモの顧客基盤との親和性が高く、通信事業と連携して効率的に金融サービスを提供することができるというメリットもありました。このように、さまざまな視点から検討を行った結果、住信SBIネット銀行との提携が最適という結論に至ったということです。
あらゆる金融サービスをワンストップで!
しかし、銀行業参入までの道のりは想像以上に困難なものでした。担当者たちは社内外の多くのステークホルダーと協議を重ね、約2年にわたる期間を経て実現に至りました。

坂本:提携先の住信SBIネット銀行や既存株主である三井住友信託銀行・SBIホールディングスとは、さまざまな課題に対して都度議論を行い、合意形成を図りました。多種多様なステークホルダーと調整し、膨大な量の課題をスピーディーに解決していくのが本当に大変でした。
こうして約2年にわたる協議を経て実現した住信SBIネット銀行との資本業務提携。その大きな魅力の一つは、銀行口座と決済・投資などのドコモの金融サービスを一体的に提供できるということです。スマートフォン一つで貯金・決済・投資・保険・融資・ポイントサービスまで、多様なサービスがワンストップで利用可能になる予定です。さらに、ドコモのサービスを複数組み合わせてご利用いただいたり、銀行口座に多くのお金を預け入れていただいたりすることでおトクになるような、充実した特典設計も考えていく予定です。

柏原:ドコモはさまざまなサービスを通じたリアルとデジタルの接点という強みを持っており、それらと銀行機能を掛け合わせることでよりよいサービス、ひいては住信SBIネット銀行とのシナジーを生み出すことが可能であると考えています。
「自分らしい生き方」のトータルサポートへ
銀行業への参入というドコモの挑戦は、ただ便利な金融サービスを提供することだけにとどまりません。今回の資本業務提携をきっかけに、金融という側面からお客さま一人ひとりの「自分らしい生き方」をこれまで以上にまるごとサポートしていくことをめざします。
従来からの決済・投資・保険・融資といった金融サービス、そして新たにはじまる銀行サービス。こうしたサービスを通じて、ドコモとしてお客さまへの理解をさらに深め、一人ひとりのライフスタイルやライフステージに合わせて、最適なサービスを最適なタイミングでご提案していきたいと考えています。
これからもドコモは、通信のみならず、今回取り上げた金融や、エンターテインメント・ヘルスケアなどのさまざまな領域において、よりきめ細かで手厚いサービスを、柔軟かつ臨機応変につないで、お客さまの暮らしにさらなる便利と幸せをお届けしていきます。

NTTドコモ ウォレットサービス部
ウォレット戦略 戦略・アライアンス担当
後藤駿介

NTTドコモ カンパニーファイナンス部
アライアンス推進室 アライアンス推進担当
坂本健太

NTTドコモ ウォレットサービス部
金融サービス推進室 バンクサービス担当 主査
溝入優一

NTTドコモ ウォレットサービス部
ウォレット戦略 戦略・アライアンス担当 課長
柏原一貴